DXへの考え方多品種・小ロット・短期生産といった急速な変化が起きているなか、製造業においてもこれに対応するため、今までとは違った形で需要の予測および業務の無駄を省く必要が出てきました。これらの課題を解決し、かつ業績や生産性を向上させていくためにはDXが不可欠です。DXを推進することで、製造過程におけるコスト削減、人手不足解消など、製造業におけるさまざまな課題の解決が見込めます。一方で、自社の状況に照らし合わせて適切な判断を下すとなると、デジタルとアナログの両面における幅広い知見が必要になってきます。実際の事例とともに、具体的にはどのような施策を行なっていくべきかを考えていきましょう。「工場IoT」で柔軟な変化を実現背景・課題3D CADデータや試作時の特性データなど、個々の情報のデジタル化を進め、技術開発・生産準備において成果を上げてきました。しかし、実際の製造過程やお客様からのフィードバックといった生の声は守備範囲外のままでした。取り組み効率や費用対効果の観点から、まず「工場IoT」から着手することにしました。工場横断の情報共有プラットフォームを2〜3年かけて段階的に投資しました。製造側は、デジタル技術を活用したトヨタ生産方式に倣い、各社員が小規模なテーマを立案し、実行し、効果を出すというボトムアップのアプローチを取り入れています。これにより、人材の育成と共に、持続的なイノベーションが促進されました。取り組みの成果各事業部・工場においてそれを活用した現場プロジェクトを立ち上げ、取組の数を増やしていくことで、トータルで費用対効果を上げることに成功しました。「工場IoT」で得られた成果を受け、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンを含むデジタル化への適用を打ち出し、品質向上や商品力向上、法規への対応など、付加価値の向上に貢献しました。自社にどう活かせるか大企業の事例だと思いがちですが「情報共有を強化する」というコンセプト自体は中小企業のDX計画においても採用可能です。むしろ、従業員数に余裕がない場合にこそ輝くシステムです。情報のムラを無くすことによって、限られたリソースを効率的に活用できるようになるためです。アプリで日報や生産管理を簡略化背景・課題日報や生産管理における書類作成に余計な時間や手間を取られているという意識が高まっていました。また、記録を正しく活用するには書式や書き方の統一を呼びかける必要もあります。取り組みこれら日報や生産管理を作成、管理できるアプリを開発しました。従業員は手元のデバイスを使うことで、QRコード読み取りや数行の入力だけで書類の作成ができます。記録はシステムに自動登録されるようになりました。取り組みの成果書類作成が簡略化され、時間や作業量の面で大きな余裕が生まれました。また、記録データの構造化もアプリ側で行われるため、データ分析の面でも活用可能になりました。自社にどう活かせるか効率化や振り返りのために記録を行っても、それに時間を取られていては本末転倒です。デジタル化を行うことで、作成プロセスの簡略化は実現できます。最初からデータになっているので、すぐ分析できるというメリットも見逃せません。日報や生産管理以外でも、デジタル化して使うと効果の上がる文書があるかもしれません。マーケティング自動化で受注単価30%上昇背景・課題営業部において、新規顧客の開拓に対する問題がありました。受注までに繋がる成功例は少なく、人手不足のため認知のための施策も十分に力を入れることができていませんでした。取り組みメールマガジン作成支援ツールを導入し、短時間でコンテンツが作成できる環境を整えました。また、その後の閲覧数や継続率などを計測・分析できるツールも導入しました。取り組みの成果認知のためにかける時間と労力が削減され、担当者の負担が大きく減りました。また、分析ツールによって見込みのある顧客を見抜いて、効率的に注力できるようになったのも大きな変化です。結果として受注単価30%上昇を達成しました。自社にどう活かせるか無駄をなくすべきなのは現場だけではありません。営業における単純作業をシステムに肩代わりさせることで、顧客ごとのフォローなど人間的な業務に労力を割くことができます。有意義な仕事のために機械に頼る発想は、営業以外にも応用可能です。DX化によって得られるメリット見てきた事例をまとめると、DXには以下のようなメリットがあることがわかります。これらは導入する企業の規模に関わらず、確かな進展をもたらしてくれる利点となっています。データ共有による効率化書類作成など煩雑な業務の削減分析による新たな視点の獲得また製造業特有のポイントとして、モノ作りという軸があります。DX化とはいっても、業務を効率化するシステムを「作り出す」作業であって、今までの指針をそのまま活かして応用することも可能です。自社で開発する余裕がない場合は、その熱意を汲み取ってくれるベンダーを選定するべきでしょう。株式会社Jingsでは製造業のDX化、AI導入に対する受託開発を行なっております。「システムのために余計な手間を増やさない」「現場主義を尊重する」など、寄り添った開発を心がけております。まずはご相談からでもお気軽にお問い合わせください。